Re.My_little_sister (28〜29話)

28)
「健太、ちょっといいかしら」
居間に寝転がってテレビを見ていたら、母親に呼ばれた。
「なんだよ」
「脱衣所にバスタオル持っていってちょうだい」
「しゃーねーなー」
麻衣は、いつも通り遅く帰ってきて、すぐに風呂場に向かった。ちょうど今、入浴中だ。
脱衣所に入る。曇りガラスの向こうからシャワーの音が聞こえる。
ふいに、昼休みに見た白い下着がフラッシュバックした。
ドクンっ!
心臓が高鳴る。
ドクン、ドクン、ドクン…
そーっと脱衣かごを覗き込む。
ドクン、ドクン、ドクン…
あった…。
麻衣のパンティー。白くて小ちゃく丸まっている。
喉が鳴った。
そーっと脱衣かごから摘み上げる。
麻衣がつい今まで履いていたパンティー。ほんのり、温もりが残っている。
ドクン、ドクン、ドクン…
自分でも、どうかしていたと思う。でも、どうしようもなかったんだ。
理性が吹き飛んでいた。
両手でパンティーを顔に押し付け、思い切り息を吸い込んだ。
「すぅーーーーーーっ…」
麻衣の残り香。
「あぁぁぁ、麻衣…」
心臓が鼓動が飛び出そうなほど高鳴っている。僕のあそこが痛いほど勃起している。
麻衣の臭いがする。
そのとき。

29)
ブルブルブルブル。
「ユーガッタメール」
突然、洗濯機の上に置いてあった麻衣の携帯が鳴った。
「わっ」
「誰か、そこにいるの?」
思わず驚いて声が出て、曇りガラスの向こうから尋ねられた。
しまった。
「お、おー。バスタオル持ってきてやったぞー。ここに置いておくからな」
平静に、平静に。気付かれてやしない。大丈夫だ。
「…ありがと」
カコンと音がした。
とにかく、早くここから出よう。
脱衣所から出て行こうとして、ふと目に入った麻衣の携帯。背面の液晶画面には「メールが着信しました」と文字が浮かんでいる。
その、送り主…。
画面には「久保先輩」と、確かに、そう浮かんでいた。
あいつが、麻衣の携帯にメールを?
麻衣は僕以外には、「男の人は、お父さんにもメアドは教えていない」と言っていたのに。
どうしてだよ?
なんで、あいつが麻衣にメールを…。
(つづく)

yuki
2005年08月31日(水) 20時52分14秒 公開
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