Re.My_little_sister (34〜35話)

34)
麻衣が自分からあんなことをするはずがない。きっとアイツに脅されるか何かして…。
きっとそうに違いない。
それ以外考えられない。
なにか、脅迫の証拠になるものを探さないと。
麻衣は僕にも打ち明けられずに苦しんでいるんだ。
そういうことなんだ。
あいつ、麻衣になんて酷いことを。
僕が麻衣を助けなければ。
あいつ、絶対に許せない。
ともかく証拠を見つけなきゃ。
麻衣が風呂に入った隙をみて、こっそり麻衣の部屋に入った。
以前と、取り立てて変わったところはない。
机の上に置いてある携帯を手に取った。
ごめん、麻衣。ちょっと見るな。これもお前のためなんだ。
受信フォルダを開く。
すると…。
送信者は母親だったり、友達だったり。ほとんどが友達からのメールで、時折、僕からのメールもある。
題名から察するに、どれもこれも、当たり障りのないメールばかりのようだ。
あいつからの、男からのメールなんか、1通もなかった。
やっぱり、僕の考えすぎだったのか、それとも、何か別の方法で脅しているのか。
いや、そうに違いない。
でなければ、麻衣が…あんなことをするはずがない。
絶対、証拠を見つけて麻衣を助け出さなければ。机の中に、脅迫状があるかもしれない。
「あ、れ…!?」
何気なくスクロールさせた画面に、名前のないフォルダがあった。
ドクン…。
背筋に悪寒が走った。

35)
「送信者:久保先輩」
「題名:Re:分かりました」
「送信者:久保先輩」
「題名:麻衣へ」
「送信者:久保先輩」
「題名:麻衣へ」
「送信者:久保先輩」
「題名:麻衣へ」
「送信者:久保先輩」
「題名:麻衣へ」
「送信者:久保先輩」
「題名:Re; Re: Re:許してください」
「送信者:久保先輩」
「題名:Re:許してください」
「送信者:久保先輩」
「題名:麻衣へ」
「送信者:久保先輩」
「題名:Re:分かりました」
「送信者:久保先輩」
「題名:麻衣へ」
「送信者:久保先輩」
「題名:麻衣へ」
「送信者:久保先輩」
「題名:麻衣へ」
「送信者:久保先輩」
「題名:すぐにこい」
「送信者:久保先輩」
「題名:麻衣へ」
「送信者:久保先輩」
「題名:Re: Re: Re: Re:麻衣へ」
「送信者:久保先輩」
「題名:Re: Re:麻衣へ」
「送信者:久保先輩」
「題名:麻衣へ」
「送信者:久保先輩」
「題名:麻衣へ」
「送信者:久保先輩」
「題名:麻衣へ」
朝となく昼となく夜となく。送信時間はさまざま。
なんだよ、これ…。
これはいったい、なんなんだよ…。
一番新しい受信メールを開こうとした。
そのとき。
(つづく)


yuki
2005年09月04日(日) 00時58分25秒 公開
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