Re/My_little_sister (43話)

43)
麻衣はどこにいるんだ?
洋館の中は薄暗く、やたらと広い。誰かに見つからないよう気をつけながら、誰か人のいる部屋を探した。どこだ、どこにいるんだ?
ん!?
廊下の奥に、明かりの漏れている部屋がある。
誰かの話し声が聞こえる。
「で、どうするんだ、あの女?」
ドスの利いた野太い男の声。答えたのはあいつだった。
「そんなの、決まってるじゃないですか。いつも通りですよ」
「まったく、おまえってやつは」
野太い声で男がガハハと笑った。
「随分とおまえに懐いているし、おまえも珍しく、えらく大事に扱ってるからよー、てっきり、てめぇの女にでもするつもりなのかと思ってたんだが」
「まさか」
こんどは、あいつがハハハハと明るく笑った。
「女を手懐けるには甘やかすのが一番だって、教えてくれたのは叔父さんじゃないですか」
「そうだったな」
「単なる金づるですよ。とりあえず、女子高生モノの裏DVDでそこそこ儲けさせてもらったから、ぼちぼち次の段階に進もうと思ってるんです」
「それで、俺を呼んだのか」
「ええ」
「とりあえず、俺の方でそこそこ使えるように仕込んでおいたんで、あとは頼みます。叔父さんなら、2日もあれば十分でしょう?」
「ああ、ネンネの女子高生堕とすなんて造作もねぇ。ここから出るときにゃあ、もう元の生活には戻れなくなってるさ。ま、戻る気も無くなってるだろうがな」
また、ガハハハと笑った。
なんだ、この2人、一体なんの話をしているんだ?
「叔父さん、例のは持ってきてくれましたか」
「…さすが組長の1人息子だけはある。容赦ねぇところまでそっくりだ。感心したよ。これなら、いつでも後を継げるんじゃないか」
「そんな器じゃないですよ」
「さて、早速仕事に取り掛かるか。いいんだな」
「えぇ、沈めちゃってください」
「シャブも遠慮なく使わせてもらうぜ」
「遠慮なく、漬けちゃってください」
「それから、どうする?」
「麻衣は俺の家で飼って、女子高生娼婦として売り出します。稼げなくなったら捨てるか、海外に売るだけですよ」
なっ、なんだって!!! そっ、そんなこと許してたまるか!!! 絶対に許さない!!!
今すぐ、麻衣を助けなくては!!!
「おい、そこで何をしているっ」
突然、背後から声を掛けられ、振り向いた瞬間、激しい痛みを感じて意識を失った。
そして、再び目を開いたとき…。
(つづく)


yuki
2005年09月13日(火) 21時03分16秒 公開
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