double cross 《Satomi-SIDE》 Part01
2010.04.06 Tuesday 18:40
yoshino
「里美先輩がいるとは思わなかったです」
「え〜っ? あたしに会いたくて転職したんじゃないのー?」
冗談めかしたけど、黒木くんが昔あたしのことを気にかけてたのは、何となく知ってる。
直接何かいわれたわけじゃないけど、当時の彼氏からも「黒木がお前のこと好きらしいぞ」っていわれたし。
「イヤ、ホント、知らなかったです。偶然ですよ」
あたしが卒業してから4年も会ってないのだから、今さら話なのに、何だか少し慌てた素振りがおかしかった。
ちょっとカマかけると必死に否定する癖。
こういうところは学生のときと変わらないなあ、って。
黒木くんが、あたしの薬指に気づいて、
「それ?」
「あっ、うん。結婚したんだ」
「そうなんですか。それも全然知らなかったです。相手は久坂先輩とか?」
久坂――というのは、あたしの元カレ。学生の頃付き合ってた。
元カレと黒木くんとあたしで、よく遊んだりもした。
「何その懐かしい名前。違うよ。黒木くんの知らない人」
旦那とは2年前に結婚。
友達の紹介で、知り合ってすぐに同棲をはじめて、式も披露宴もやらずにそのまま入籍した。
極めて親しい人に連絡しただけだったので、黒木くんが知らないのも当たり前。
あたしが28になるまで子供は作らない約束で、仕事はそのまま続けてる。
黒木くんは、あたしが結婚してることにひたすら驚いてた。
「苗字は成瀬になったから」
「下の名前は?」
「同じに決まってるでしょ。他の人の手前もあるから、下の名前で呼ぶのやめてよ」
別に会則も厳しくないサークルで、何故か黒木くんだけは「高橋先輩」とか「里美先輩」と律儀に呼んでた。
“センパイ”から“成瀬さん”に呼び方を変えるのは、最初は違和感があったみたい。
× × × ×
218 名前:double cross《Satomi-SIDE》 投稿日:2010/03/31(水) 14:06:56 ID:fQlPSnsr [2/4]
佐伯課長の下、黒木くんと同じチームになって、一緒にいる時間が増えた。
携帯の着信もメールも、いつの間にか黒木くんからのものが一番多くなってる。
課長も「お前ら、ウマ合ってるよな」なんて、変に感心してる。
「成瀬さんが結婚してて、マジ、ショックですよ。俺、憧れてたんで」
「黒木くん、あたしのことエロい目で見てたもんねー」
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